第161回数検1級二次問題1

【問題】
nを2以上の整数とするとき、分数
\frac{15n+2}{14n+3}
が可約分数となるようなnの一般形を求めなさい。
また、そのときこの分数を約分して既約分数とした分数を求めなさい。

【解答】
与えられた分数が可約分数であるから、その分母、分子の公約数をkとすると、ある正の整数m,lを用いて、
15n+2=km14n+3=kl
と書ける。この2式より、
n=k(m-l)+1
が得られるから、これを与えられた分数に代入すると、
\begin{eqnarray*}\frac{15n+2}{14n+3} &=& \frac{15(k(m-l)+1)+2}{14(k(m-l)+1)+3} \\ &=& \frac{15k(m-l)+17}{14k(m-l)+17} \end{eqnarray*}
したがって、kが17の倍数なら、与えられた分数は可約分数である。
よって、n=17m+1mは1以上の整数)である。・・・(答え)
これを与えられた分数に代入すると、
\begin{eqnarray*}\frac{15n+2}{14n+3} &=& \frac{15(17m+1)+2}{14(17m+1)+3} \\ &=& \frac{17(15m+1)}{17(14m+1)} \\ &=& \frac{15m+1}{14m+1} \end{eqnarray*}・・・(答え)

(追記)
\frac{15m+1}{14m+1}が既約分数であることを示しておかなければならない。
背理法により示す。もし\frac{15m+1}{14m+1}が可約分数であるとすると、
15m+114m+1の最大公約数をkとして、整数l,l'を用いて、
15m+1=kl14m+1=kl'と書ける。この2式より
m=k(l-l')であるから、
\begin{eqnarray*}\frac{l}{l'} &=& \frac{15m+1}{14m+1} \\ &=& \frac{15k(l-l')+1}{14k(l-l')+1} \end{eqnarray*}
これより、
14k(l-l')+l=15kl'(l-l')+l'
(14kl+1)(l-l')=15kl'(l-l')
15m+1 \neq 14m+1であるから、l \neq l'。したがって、上式の両辺をl-l'で割ることができて、
14kl+1=15kl'
を得る。この右辺はkの倍数であるが、左辺はそうではない。これは矛盾である。
したがって\frac{15m+1}{14m+1}は既約分数である。